Transformation 越境から生まれるアート

　アーティゾン美術館は、「Transformation 越境から生まれるアート」展を開催。地政学的な視点から、19世紀半ばから第二次大戦後までのヨーロッパ、日本、アメリカの美術に着目し、国際化のなかにある近現代美術を展望する。

　19世紀後半のマネや印象派をはじめ、前衛的な動向の相次ぐ出現に彩られるモダン・アート。その背景には、美術に関わるヒトやモノ、情報の移動や流通が国家や大陸を越えて活発となった、美術をめぐる国際化の進展をうかがうことができる。

　本展は「越境」と「変化」を着眼点として、活動の時期と地域を異にする4人の画家、ピエール=オーギュスト・ルノワール、藤島武二、パウル・クレー、ザオ・ウーキーをとくに取り上げ、新収蔵作品2点を含む約80点の作品と資料により、その創作の態度に光を当てる。

　展示は「歴史に学ぶ —ピエール=オーギュスト・ルノワール」「西欧を経験する —藤島武二、藤田嗣治、小杉未醒」「移りゆくイメージ —パウル・クレー」「東西を超越する —ザオ・ウーキー」の4章で構成。国際化のなかで、画家たちがいかに異質な存在との接触や対話を契機に自らの芸術を刷新していったかを検証する。