アーティゾン美術館が2022年のスケジュールを発表。パリ・オペラ座の歴史たどる展覧会も

東京・京橋のアーティゾン美術館が2022年の展覧会スケジュールを発表。同館コレクション約170点を展覧する「はじまりから、いま。1952ー2022」や「パリ・オペラ座-響き合う芸術の殿堂」などの開催が予定されている。

エドゥアール・マネ オペラ座の仮装舞踏会 1873 石橋財団アーティゾン美術館蔵

 東京・京橋のアーティゾン美術館が2022年の展覧会スケジュールを発表した。

 22年の冒頭を飾るのは、「はじまりから、いま。1952ー2022 アーティゾン美術館の軌跡̶ 古代美術、印象派、そして現代へ」(1月29日〜4月10日)だ。同展では、古代美術、西洋・日本近代美術、抽象表現主義や現代美術、そして日本東洋古美術など多岐に渡る石橋財団コレクションがどのように形成されていったのか、収集の歴史を遡りながら代表的な作品約170点を展覧。また過去の展覧会ポスターや、開館以来続く土曜講座の記録、美術映画シリーズなどのさまざまなアーカイヴ資料を通じて美術館の活動の歴史を振り返るものとなる。

藤島武二 東洋振り 1924 石橋財団アーティゾン美術館蔵

 4月29日から7月10日まで開催される、アーティゾン美術館のコレクションと現代美術家がコラボレーションする「ジャム・セッション」では、「写真と絵画-セザンヌより 柴田敏雄と鈴木理策」と題して、セザンヌを基点に柴田敏雄と鈴木理策の作品から現代の写真作品と絵画の関係を問う。

柴田敏雄 栃木県日光市 2013 作家蔵
鈴木理策 サント= ヴィクトワール山 NZ P-67 2001 作家蔵

 同時開催の「Transformation 越境から生まれるアート」は、ピエール=オーギュスト・ルノワール、藤島武二、パウル・クレー、ザオ・ウーキーを中心に、異質な存在との接触や対話を契機に自らの芸術を変化させることを通して、その創作を切り拓こうとする芸術家の姿に光を当てるもの。情報の移動と流通が活発になった19世紀半ばから第二次大戦後までのヨーロッパ、日本、アメリカの美術を展望する。

パウル・クレー 小さな抽象的−建築的油彩(黄色と青色の球形のある) 1915 石橋財団アーティゾン美術館蔵

 続く7月30日から10月16日までは、「生誕140年 ふたつの旅 青木繁×坂本繁二郎」を開催。《海の幸》で広く知られる青木繁と、馬、静物、月などを題材に静謐な世界観を築いた坂本繁二郎は、日本の洋画が成熟へと向かう時代の流れのなかで、独自の作風を探求した。本展では、ふたりそれぞれの画業とともに、それぞれの生涯を交差させながら紹介する。

青木繁 自画像 1903 石橋財団アーティゾン美術館蔵
坂本繁二郎 自画鏡像 1929 石橋財団アーティゾン美術館蔵

 2022年の締めくくりとなるのは、「パリ・オペラ座-響き合う芸術の殿堂」(11月5日〜23年2月5日)だ。

 バレエやオペラの殿堂として知られるパリ・オペラ座。本展では、パリ・オペラ座の歴史を17世紀から現在までたどりつつ、19世紀から20世紀初頭の様々な芸術分野との関連性を示すことで、その魅力を総合芸術的な観点から浮き彫りにする。フランス国立図書館をはじめとする国内外の作品により、芸術的、文化的、社会的な視野からパリ・オペラ座の多面的な魅力を紹介し、その歴史的な意味を明らかにする展覧会となる。

シャルル・ガルニエ ガルニエ宮ファサードの立面図 フランス国立図書館蔵 
Charles GARNIER, Front view of the Facade of the Palais Garnier, Plan Garnier O3, BnF, Music Department, BMO

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