未来へつなぐ陶芸―伝統工芸のチカラ展

　国立工芸館で企画展「未来へつなぐ陶芸―伝統工芸のチカラ展」が開催される。本展は、伝統的な陶芸の歴史をつくってきた日本工芸会陶芸部会の活動が50周年を迎えることを記念して、伝統陶芸の活動の歩みと多彩な展開を紹介する。

　日本工芸会のなかでも会員数がもっとも多い陶芸部会は、1973年、重要無形文化財保持者（人間国宝）らの声かけにより、会員の活動をさらに活性化させる目的で活動が始まった。陶芸技術の保存と活用をはじめ、先達たちが培った技術・技法への対応から様々なことを学び、それを糧として作家たちは自身の想いを作品に映し出している。

　本展では、戦後の日本の伝統陶芸の歴史的展開と、未来への展望を、総勢137作家の作品により紹介。歴代の人間国宝の名品から、草創期に勢力を二分した日展、陶芸部会の会員以外で伝統の世界に刺激を与え続けている陶芸家の作品、さらに新進作家らの最新作を取り上げ、その歩みと未来へとつなぐ陶芸の技と美を展覧する。

　主な出展作家は、松井康成、富本憲吉、荒川豊藏、板谷波山、𠮷田美統、五代 伊藤赤水、樂直入、十四代今泉今右衛門、前田昭博、隠﨑隆一、和田的ら。