EXHIBITIONS

クリストとジャンヌ=クロード

―包む、覆う、積み上げる

2021.07.03 - 10.03

クリスト 包まれたホイットニー美術館(ニューヨークのためのプロジェクト) 1971
DIC川村記念美術館蔵 © ADAGP, Paris & JASPAR, Tokyo, 2021 G2533

クリストとジャンヌ=クロード 鉄のカーテン―ドラム缶の壁(パリ、ヴィスコンティ通り、1961-62) 1968
DIC川村記念美術館蔵 © ADAGP, Paris & JASPAR, Tokyo, 2021 G2570

クリストとジャンヌ=クロード 5,600立方メートルのパッケージ(カッセル、ドクメンタ4、1967-68) 1968
DIC川村記念美術館 © ADAGP, Paris & JASPAR, Tokyo, 2021 G2570

クリスト 包まれた公共建築(プロジェクト)[パリの凱旋門] 1968
DIC川村記念美術館蔵 © ADAGP, Paris & JASPAR, Tokyo, 2021 G2570

 約半年の工事休館を経て、DIC川村記念美術館が今夏再開館。全館コレクション展示のうち一室を使い、小企画「クリストとジャンヌ=クロード ―包む、覆う、積み上げる」を開催する(予約制)。

 クリスト(1935〜2020)とジャンヌ=クロード(1935〜2009)は芸術家ユニット「クリストとジャンヌ=クロード(Christo and Jeanne-Claude)」として、1961年以来世界各地で巨大なスケールのプロジェクトを次々に実現させた。今年9月にはパリの凱旋門を包むプロジェクトが披露される予定だ。

 今回の特集展示では、DIC川村記念美術館が所蔵する縮尺模型やコラージュ、そして版画16点を一挙に公開。これらの作品のなかには、今秋にパリで実現が予定されている凱旋門を包むプロジェクトの構想初期の作品や、日の目を見なかったアイディアも含まれている。

 生前、共同でプロジェクトを構想したクリストとジャンヌ=クロード。その完成イメージを具現化した縮尺模型やコラージュなどの制作はクリストひとりが担い、そして2人でそれらを販売することで、プロジェクト実現のための資金を賄っていた。同館所蔵の版画は、記録写真やドローイングそしてコラージュや合成写真をもとに制作された。またコラージュや縮尺模型には布やひもが用いられ、そのしわや結び目一つひとつから、クリストが自らの手で制作を行ったことを感じ取ることができる。

 本展示では2人が巨大なスケールで構想した、様々な手法を取る各プロジェクトの完成イメージを、その概要とともに紹介する。