EXHIBITIONS

特別展「復興を支える地域の文化─3.11から10年」

2021.03.04 - 05.18

地域で伝えられてきた被災文化財の修復 提供=国立民族学博物館

地域の復興を後押しする郷土芸能─鵜鳥神楽 提供=国立民族学博物館

大阪府浪速区に伝えられる津波碑 提供=国立民族学博物館

和歌山県白浜町富田に伝えられる津浪警告板 和歌山県教育委員会収蔵

カマガミサマ 石巻市教育委員会収蔵

 国立民族学博物館が特別展「復興を支える地域の文化─3.11から10年」を開催。東日本大震災から10年が経ついま、本展では、災害からの復興を支える地域文化の活動を振り返るとともに、その大切さと継承について考える。

 未曾有の被害をもたらした2011年の東日本大震災では、復興の原動力としての「地域文化」に大きな注目がよせられた。

 地域文化とは、その土地の自然に適合しながら形成された生活環境、その土地に人が住むことで蓄積されてきた歴史、そして、これらの生活環境や歴史の営みのなかで生み出された暮らしの総体であり、「地域で受け継がれてきた生活の記憶」とも言えるもの。有形無形と様々に受け継がれるこれらの地域文化は、地域に住む人々の感情、あるいは人生の節目や季節の移り変わり目と結びつき、地域住民の豊かな人間性や創造性を育んできた。

 この地域文化が災害からの復興を支える力をもった存在になりうると考え、本展では、震災にまつわる石碑や、被災からの教訓を伝える古文書、郷土芸能などの資料約440点によって、地域文化の可能性を探る。

 また、東日本大震災での文化財レスキューの様子、「復興キュレーション」と称して宮城・牡鹿半島で実施した地域文化の再発見、中越地震後に新潟県十日町市の古文書ボランティアと行った共同活動などの活動についても紹介する。

※国立民族学博物館は、新型コロナウイルス等対策特別措置法に基づく「緊急事態宣言」の発出を受け、4月25日より当面のあいだ臨時休館。最新情報は公式ウェブサイトへ。