EXHIBITIONS

高木正勝個展 星の時間

2020.11.07 - 12.13

高木正勝 Marginalia #2 7分55秒 2018

高木正勝 NIHITI 6分23秒 2008

高木正勝 Tidal 2分47秒 2007

 音楽家・映像作家、高木正勝の7年ぶりとなる個展「星の時間」が開催。初期から現在までの映像作品を一挙に紹介する。

 高木は1979年京都府生まれ。2001年より、幼少期より親しんでいるピアノを中心に用いた音楽と、自ら撮影・加工した映像を組み合わせた「動く絵画」のような映像作品を手がける。『静かな雨』(中川龍太郎監督)、『おおかみこどもの雨と雪』(細田守監督)、スタジオジブリのドキュメンタリー映画『夢と狂気の王国』などの映画音楽のほか、CMなどへの楽曲提供も多い。13年に丹波地方の小さな里山に拠点を移し、自然の変化に寄り添って、近隣の人々と交流しながら音楽制作を続けている。その様子はエッセイ集『こといづ』(2018)に瑞々しく綴られている。

 丹波地方に移住して以降は映像作品をつくることなく、音楽活動に専念していた高木。17年からは「Marginalia」と題したシリーズで、その日その時の天候や鳥虫の音と響き合うように奏でた楽曲を、不定期にウェブサイトで公開。18年には「Marginalia」のいくつかの曲に映像をつけ、5年ぶりとなる映像作品を手がける。

 本展では、高木のこれまでの活動の変遷をたどるように、03年の初期作品から現在までの映像作品10点を展示。月の引力による潮汐、人類とともにある動物、生命、宇宙といった根源的なテーマを遡りながら、鋭い感覚で描き出した映像と生命力に満ちた音楽による映像作品群は、その大きな世界観で見る者を強く引き込む。