EXHIBITIONS

私たちの、私たちによる、私たちのための美術館

撮影=渡邉修

 2019年に開館から15周年を迎えた金沢21世紀美術館。金沢市の中心部に位置する美術館は、「まちに活き、市民とつくる、参画交流型の美術館」を特徴のひとつとし、これまで美術館活動を行ってきた。

 その間、美術館を取り巻く金沢の様子を大きく変え、特に観光地のひとつとして有名になって多くの観光客が訪れるようになったいっぽう、途切れない観光客の波に押されて、金沢市民の「日常」とはだんだんかけ離れたものになってきているかもしれない。

 本展はアーティストではなく、ほかでもない金沢21世紀美術館の主人公である、地域からの来場者のインタビューや、金沢市民を対象に行うゼミ「ミュゼミ」を通して、「これまでの美術館・これからの美術館」について考える参加型の展覧会。

「まちに活き、市民とつくる」という思いが込められて始まった美術館は、いまの金沢の人々にどう映っているのか。またどんな未来を描くことを期待されているのか、様々な切り口からいまの「私たちの美術館」を問い、「これからの美術館」を考える。