EXHIBITIONS
山本昌男「手中一滴」
1990年代より欧米を中心に活躍する写真家・山本昌男。そのデビュー作から最新シリーズまでが揃う国内美術館初の個展が開催される。
山本は57年愛知県生まれ。祖父は寺の鐘撞堂の彫刻を請け負う名大工で、代々建築に携わる家系において、ものづくりが日常の環境で育った。93年に「空の箱」「中空」シリーズでデビュー。両シリーズでは、独特の質感を持つ小サイズの写真を、旅の思い出のようにアンティークの革鞄に詰め込んだ展示や、絵を描くように壁に展示するなどの実験的なインスタレーションを展開した。
その後、集合的なインスタレーションから写真1点ずつをフレームに入れ、身近な動物や植物、風景、また見過ごされそうな小さなもの掬い上げる作品を発表。繊細な息づかいと緊張感を孕んだモノクロの写真作品の根底には、山本の「人間は、自然のほんの一部分であり、一体化した存在」という信念が貫かれている。
本展では、「空の箱」「中空」から、秋山実による盆栽を、八ヶ岳や富士山麓の雄大な風景のなかに置いた最新シリーズ「盆栽」までの約170点を、作家自らの構成で展示。自然の神秘性を追い続ける、山本の活動30年の軌跡をたどる。
山本は57年愛知県生まれ。祖父は寺の鐘撞堂の彫刻を請け負う名大工で、代々建築に携わる家系において、ものづくりが日常の環境で育った。93年に「空の箱」「中空」シリーズでデビュー。両シリーズでは、独特の質感を持つ小サイズの写真を、旅の思い出のようにアンティークの革鞄に詰め込んだ展示や、絵を描くように壁に展示するなどの実験的なインスタレーションを展開した。
その後、集合的なインスタレーションから写真1点ずつをフレームに入れ、身近な動物や植物、風景、また見過ごされそうな小さなもの掬い上げる作品を発表。繊細な息づかいと緊張感を孕んだモノクロの写真作品の根底には、山本の「人間は、自然のほんの一部分であり、一体化した存在」という信念が貫かれている。
本展では、「空の箱」「中空」から、秋山実による盆栽を、八ヶ岳や富士山麓の雄大な風景のなかに置いた最新シリーズ「盆栽」までの約170点を、作家自らの構成で展示。自然の神秘性を追い続ける、山本の活動30年の軌跡をたどる。