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ミリアム・カーン「美しすぎることへの不安」

ミリアム・カーン アイリーン・グレイの家(ル・コルビュジエ設計とされていた)  2007 + 17.3.2019 © Miriam Cahn Courtesy of WAKO WORKS OF ART

 スイスを代表する女性アーティストとして、欧州を中心に国際的な活躍するミリアム・カーン。1970年代に興ったフェミニズムやパフォーマンス・アート、反核運動などの社会的な動向に影響を受けたカーンは、ドローイング作品の制作からアーティスト活動を開始。その後、79〜80年の冬に、屋外の建物に直接描いたドローイング作品《my woman-ness is my public part 私の女性性は、パブリックな部分だ》で国際的に注目され、以来、活動の場を広げてきた。

 94年から多くを制作する油彩作品では、勢いのある筆致と独特の鮮やかな色彩で、人、動植物、建築物のモチーフを描写。80年代の大型のドローイングから、カーンの作品には一貫して身体性という特徴が備わり、近年は絵筆を使わず手で直接描く手法を用いている。また、暴力や社会問題といったテーマ性の強い作品にも取り組んでいる。
 
 本展では、近年の新作7点に、90年代の初期作品を加えた約20点の油彩画作品を展示。2015年にイタリアが発動した海洋難民救済作戦「マーレ・ノルストム」をタイトルにした作品や、近年主体となっている、母と子をテーマとした作品も並ぶ。なお、カーンは同時期に開催される「あいちトリエンナーレ2019 情の時代」(8月1日〜10月14日)にも参加予定。