EXHIBITIONS

みえるもののむこう

津上みゆき 個展「時の景、つなぐとき」(ポーラミュージアム アネックス、2016)展示風景 撮影=長塚秀人 Courtesy of ANOMALY

白石由子 Moon Drop 1996 Courtesy of 横田茂ギャラリー

酒井幸菜 神奈川県立近代美術館 葉山にて、 2019 撮影=相川健一

一之瀬ちひろ 「きみのせかいをつつむひかり(あるいは国家)について」より[#0021] 2019

三嶽伊紗 個展「三嶽伊紗のしごと―みているもののむこう」(徳島県立近代美術館、2014)での展示風景 撮影=米津光

 スナップ写真にコラージュを施す、複写を繰り返すといった独自の手法で注目を集める写真家・一之瀬ちひろ、美術館や野外空間に寄り添ったパフォーマンスを行う振付家/ダンサー・酒井幸菜、女性による抽象絵画を再考する白石由子、様々な場所を巡りながら見たものを描く津上みゆき、冬の自然を撮影した静謐な動画を重ね、具象と抽象のはざまに成立する映像作品を手がける三嶽伊紗。

 本展では、この5人の現代作家の仕事を通して、生の美しさを目に見えるかたちに映し出すアートの力と、感じ取ったものを表現に起こしていくアーティストたちの清新な感性をとらえる。

 参加アーティストは、一人ひとりが葉山の自然に囲まれた美術館の内と外を体感し、場の特性に呼応したサイトスペシフィックな新作や初公開の作品を含めてそれぞれの展示空間を構成。光と色彩にみちた絵画や写真、外光によって変容するインスタレーションなど、展示室の外に広がる自然と呼応した脱日常的なアート体験を通して、世界との新しいつながりを感じることができるだろう。