2016年3月に惜しまれながら閉館した旧神奈川県立近代美術館 鎌倉。戦後日本のモダニズム建築としても高い評価を受けるこの名建築が、「鎌倉文華館 鶴岡ミュージアム」として6月8日に開館する。
旧神奈川県立近代美術館 鎌倉は、1951年に鶴岡八幡宮敷地内に開館した日本初の公立近代美術館。設計はル・コルビュジエに師事した坂倉準三によるもので、神奈川県の重要文化財にも指定されている。しかしながら同館は借用契約満了に伴い16年に閉館。更地返還となる前提だったが、鶴岡八幡宮は建築の継承とそれに伴う保存と活用を行うことを決定した。
旧本館棟にエレベータを新設し、ユニバーサル対応を行うとともに、旧本館棟の耐震改修を行い、安全性の向上を図るなどの改修を実施。「鎌倉文華館 鶴岡ミュージアム」として新たに門戸を開く。
同館の基本理念は「新たな交流と文化を育み、発信する」「鶴岡八幡宮、鎌倉についての理解を深める活動を行う」「参拝を深める空間を創出する」の3点。「展示」「普及」「研究」「収集・保存」「憩い促進」の5つを事業活動として掲げている。
開館に先駆け、同館では4月20日から5月6日まで、建築を公開する「新しい時代のはじまり」展を開催。旧神奈川県立近代美術館 鎌倉の歴史的建築の意匠を保ちつつ、最新の技術によって補強、復原、機能を向上させた今回の改修工事過程を、図面や模型、記録映像、写真などで紹介する。