EXHIBITIONS

タータン 伝統と革新のデザイン

2019.04.13 - 05.26

子ども用ハイランド衣装一式 1868頃 神戸ファッション美術館蔵

アフタヌーンドレス 1865頃 神戸ファッション美術館蔵

ヴィヴィアン・ウエストウッド タータン・スーツ 1993 神戸ファッション美術館蔵

高田喜佐 シューズ  1990-93(制作年不明を除く) 神戸ファッション美術館(高田邦雄氏寄贈)蔵

ジョン・ケイ バグパイパー アーチボルド・マッカーサー 1810 京都ノートルダム女子大学 図書館情報センター蔵

毎日新聞社 『サンデー毎日』 昭和11年10月11日号 1936 アドミュージアム東京蔵

 ファッションに限らず、日用雑貨や室内装飾など、世代を超えて愛される「タータン」。本来は羊毛を綾織りにした織物を指していたが、現在ではデザインそのものもタータンと呼ばれ、その起源は中央ヨーロッパに住んでいたとされるケルト人にまでさかのぼる。

 ケルト人が日常着として用いた織物に始まったタータンは、その後、英国の歴史の中で特異な運命をたどり、18世紀にはハイランドの男性に対して着用が禁止された。しかし、ハイランド文化復興の動きによって禁令が解かれると、スコットランドを象徴する文化としてタータンが再び脚光を浴びるようになる。

 また、タータンは身に着けることによって、その人ロイヤルスチュアートの出自や所属を示すようになった、世界でも珍しい織物。スコットランドの由緒ある氏族が身につけるクラン・タータン、地域に関わるデイス卜リクト・タータン、王族のロイヤル・タータンなど、いくつかに分類されるデザインは現在8000種類以上も登録されている。

 タータンの知られざる歴史に注目する本展は、これまで日本では展示機会の少なかったタータン生地約110種類を展示。エリザベス女王の許可なくして着られない、門外不出とされる王室専用の「バルモラル・タータン」も特別公開される。

 また、ハイランド地方で普段着や正装として着られた「フェリイ・モー」の着付け体験と記念撮影ができるコーナーを設置予定。このほか、19世紀に活躍した諷刺画家ジョン・ケイの版画、現在活躍するファッション・デザイナーによる服、日本とタータンの関わりを示す資料など約160点を通じて、様々な視点からタータンの魅力を紹介する。