EXHIBITIONS

上田市立美術館コレクション展

ハリー・K・シゲタ Photography ―光で描く世界―

ハリー・K・シゲタ セルフポートレート 1940 上田市立美術館蔵

ハリー・K・シゲタ ドミノ・パイ 1928 上田市立美術館蔵

ハリー・K・シゲタ 水ぎわ 1920年代 上田市立美術館蔵

ハリー・K・シゲタ ふぶき 1925 上田市立美術館蔵

ハリー・K・シゲタ 干潮 1945 上田市立美術館蔵

 15歳で単身渡米し、国際的商業写真家として名を馳せた上田市出身の写真家、ハリー・K・シゲタ(日本名・重田欣二)。その作品は、ほかの商業写真にはない芸術的表現をもち、アメリカの企業を、そして消費者を魅了した。

 シゲタは1887年生まれ。ミネソタの美術学校で広く美術を学ぶも、デッサンに利用していたカメラに興味を持ち写真家へと転身。その後、商業写真家となり、1930年、シカゴに「シゲタ・ライトスタジオ」を設立。高い技術と洗練されたデザインが話題を呼び、アメリカ有数の企 業へと成長を遂げる。また、後継者への育成にも尽力。その功績が認められ、49年にアメリカ写真家協会名誉会員の称号を与えられた。

 制作においては「写真を絵画のように自由自在に表現したい」という考えのもと、光を巧みに操る独自の写真修整技術で絵画を描くかのように、幻想と現実の狭間を思わせる写真を手がけた。

 本展は、親交のあった写真家・宮武東洋や細江英公の手を経て美術館に収蔵される作品を含む約40点を展示。シゲタの写真術と芸術表現を探るとともに、国際的商業写真家として活躍した足跡をたどる。

 また関連企画として、2月16日と17日の2日間、シゲタの世界観をテーマにしたコンテンポラリーダンス公演「Roomer」を開催。舞踏をルーツとし、国内外で活躍する振付家・ダンサーの鈴木ユキオが、「光」と「影」、「静」と「動」を、しなやかかつ強靭な身体で表現する。ウェブサイトでは、本公演のプロモーション動画を公開中。