EXHIBITIONS
イケムラレイコ 土と星 Our Planet
ヨーロッパを中心に、絵画や彫刻、ドローイング、水彩、版画、写真、映像など多様な作品を発表してきたイケムラレイコの大規模個展が開催される。
イケムラは三重県出身。1970年代にスペインにわたって美術を学び、その後はスイス、80年代前半からはドイツを拠点に現代作家として本格的に活動を開始した。当時の絵画を席巻した新表現主義に影響を受け、女性であることや異邦人であることの困難に抵抗するかのような荒々しい筆致の絵画、多様な線で構成されたユーモラスで人間味あふれるドローイングなど、実験的な制作を試みた。90年代以降は、うつろな空間に漂う儚げな少女、母と子の像、自然と一体化した生き物など多義的なイメージを配した、神話的な風景を描くようになる。
これらの内省的な作品世界は、自然災害や原発の事故など、今日の社会が人や自然をコントロールすることで生まれる様々なひずみに対する批評の現れであり、日本とヨーロッパという異なった土壌で鋭敏な感覚を磨いてきたイケムラだからこそ見出すことができた、存在の多様性を受け入れようとする強靭な思想が示されている。
本展は、2000平米の展示室と野外展示場も使い、イケムラが探求してきたテーマに基づく16のインスタレーションで構成。これまで手がけてきたすべてのメディアを網羅する約210点が展示される。また、40年にもわたる芸術的探求を経て紡ぐ、山水画の大作など近年の新たな取り組みにも注目する。
イケムラは三重県出身。1970年代にスペインにわたって美術を学び、その後はスイス、80年代前半からはドイツを拠点に現代作家として本格的に活動を開始した。当時の絵画を席巻した新表現主義に影響を受け、女性であることや異邦人であることの困難に抵抗するかのような荒々しい筆致の絵画、多様な線で構成されたユーモラスで人間味あふれるドローイングなど、実験的な制作を試みた。90年代以降は、うつろな空間に漂う儚げな少女、母と子の像、自然と一体化した生き物など多義的なイメージを配した、神話的な風景を描くようになる。
これらの内省的な作品世界は、自然災害や原発の事故など、今日の社会が人や自然をコントロールすることで生まれる様々なひずみに対する批評の現れであり、日本とヨーロッパという異なった土壌で鋭敏な感覚を磨いてきたイケムラだからこそ見出すことができた、存在の多様性を受け入れようとする強靭な思想が示されている。
本展は、2000平米の展示室と野外展示場も使い、イケムラが探求してきたテーマに基づく16のインスタレーションで構成。これまで手がけてきたすべてのメディアを網羅する約210点が展示される。また、40年にもわたる芸術的探求を経て紡ぐ、山水画の大作など近年の新たな取り組みにも注目する。