三島由紀夫が自決してから50年の節目となる今年、幻の写真集が超大型版となって刊行される。
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三島は生前、自らが被写体となって宗教画「聖セバスチャンの殉教」を再現した篠山紀信の作品を気に入り、『薔薇刑』に続く写真集として刊行することを計画し、装幀を横尾忠則に依頼した。ほぼ1年を費やし、死の1週間前まで撮影された作品は『男の死』と題された写真集として薔薇十字社から発売される予定だったが、刊行は実現しなかった。
そして今回、この幻の写真集が超大型写真集『OTOKO NO SHI』として、CCCアートラボ株式会社より刊行される。
収録されている写真は未発表も含む計40点以上。三島がエロティシズムに満ちたイメージのなかで「船乗り」「建設作業員」「体操選手」「侍」などに扮し、悲劇的な結末を迎える姿が描かれている。
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なお本作の装幀、デザインは三島が指名した横尾忠則が担当。「死」のオブセッションが横溢する写真の数々と、横尾ならではのポップなデザインの融合に注目だ。
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