EXHIBITIONS

有村勇史「HALATION」

LAID BUG
2026.06.12 - 06.27
 LAID BUGで、有村勇史の個展「HALATION」が開催される。

 鹿児島県を拠点に活動する有村勇史は、日々のフィールドワークを通じて、風景や物事をフィルムカメラで記録し続けている。静かに波立つ海や、木々が生い茂る山、野生動物や、忘れ去られた建築物など、多角的な視点で切り取られた写真作品は、そこに存在した光とともに緻密にフレーミングされることで、被写体に宿る気配までも浮かび上がらせる。

 有村は、美しくはかない風景の断片を丁寧に写し取りながらも、そのまなざしを、異なるもの同士が接する「境界」へと向けている。内と外、光と影、近景と遠景、表層と奥行き、生と死、現在と記憶といった相対する要素が触れ合う瞬間をとらえ、鑑賞者に提示。写真には、光によるハレーションが生じ、コントラストが溶け、輪郭が曖昧になることで、被写体が別の像へと変わることがある。有村は、こうしたハレーションによる変化を通して、境界が外界とのあいだにのみ存在するのではなく、人の認識そのものに宿っていることを示唆する。