EXHIBITIONS

菅野陽と浜田知明 銅版画の夜明け前

2025.12.13 - 2026.02.23
 茅ヶ崎市美術館で「菅野陽と浜田知明 銅版画の夜明け前」が開催されている。

 1950年代に入り、日本で銅版画に取り組む芸術家が多く見られるようになった。本展では、材料や道具、学ぶ場が限られたなかで技法を取得し、独自の表現へと昇華させた銅版画家のうち、銅版画界の黎明期に新しい表現を求めた同館収蔵作家の菅野陽(1919〜95)と浜田知明(1917〜2018)を紹介する。

 菅野は、複雑な線と面を組み合わせた表現によって「人体」に着目した作品を多く手がけた銅版画家であり、銅版画史の研究者としても知られる茅ヶ崎ゆかりの作家だ。いっぽう、浜田は1950年の時点ですでに銅版画に本格的に着手し、自身の戦争体験を踏まえて発表した「初年兵哀歌」シリーズによって注目を集めた。自分や社会への問いかけをユーモラスに表現した作品は、当時から世界的に評価されている。

 今回の展示は、銅版画界全体が手探りの状況にあった時代に活動時期が重なるふたりの制作の軌跡を通して、段階的に意識が高まっていく銅版画の動向を紹介する。