EXHIBITIONS

梶コレクション展—色彩の宝石、エマーユの美

2025.03.11 - 06.15

ポール・ボノー ルネサンス期ファッションの若い女性像 1907年 国立西洋美術館 梶コレクション

 国立西洋美術館で「梶コレクション展—色彩の宝石、エマーユの美」が開催される。

 国立西洋美術館に新たな工芸品コレクションが寄贈された。作品はほぼすべてエマーユで構成されており、19世紀後半から20世紀初頭のフランスで制作されたものが中心だ。エマーユは七宝に相当するフランス語で、金属の素地にガラス釉を焼きつけた工芸品を意味する。作品数は約150点にのぼり、まとまった数の工芸品としては、2012年の指輪を中心とする橋本コレクション以来の収蔵となる。
 
 コレクターはジュエリーアーティストの梶光夫。梶によれば、収集の発端は1980年頃パリの骨董店で目にしたエマーユの小箱との運命的な出会いで、それ以来現在に至るまで収集にいそしみ、数百点からなるコレクションを築き上げたという。そして永遠に輝き続けるエマーユの美を少しでも多くの人々に知ってもらいたいという⾧年の思いから、このほど選りすぐりの作品を寄贈。

 本展では、コインのような小さなエマーユからジュエリーや宝石小箱、そして額装された大振りのエマーユまで、梶コレクションの全貌を紹介。また、梶が所蔵するアール・ヌーヴォーの工芸品やアルフォンス・ミュシャのポスターなども織り交ぜながら展示を構成する。