EXHIBITIONS
小松敏宏「絵の向こうには壁があるだけだ—CT:PAINTING」
KANA KAWANISHI GALLERYで、小松敏宏による個展「絵の向こうには壁があるだけだ—CT:PAINTING」が開催されている。
小松は、東京藝術大学大学院美術研究科で現代美術研究を深めたあと、マサチューセッツ工科大学(MIT)大学院建築学部では視覚論を学び、MoMA PS1やクイーンズ美術館での個展など欧米をベースに精力的に活動。帰国後は瀬戸内国際芸術祭(2013)や越後妻有アートトリエンナーレ(2012、2015)などの国際芸術祭を中心に、事象の認識を更新させる視覚芸術を重ねてきた。
サイトスペシフィック・インスタレーション、パビリオン(仮設建築)、あるいは写真表現で、鑑賞者の視覚体験に揺さぶりをかけてきた小松作品は、その発表形式に絵画が用いられることはなかった。それは「連綿と続いてきた美術史のなかで、自分が描くべき理由が見あたらない」という理由によるものだったが、キャリアが30年目に差しかかる2023年に発表した《CT(ペインティング)》で、小松は初めて自ら絵筆をとる。
「事象の認識を更新させる視覚芸術」を追究してきた小松が、建築空間のレイヤーを打ち消す透視写真(CT)を扱ううちに、アート領域でももっともフォーマルなメディウムとされる「油彩画」を透視させたいという欲求を抱いたという。
本展では、一貫したアーティストとしての立脚点を持ち続けながら、美術史を踏まえて自らも筆をとるべき事由を見つけ、二次元空間と三次元空間が越境する表現を展開する小松の新境地を見る。
小松は、東京藝術大学大学院美術研究科で現代美術研究を深めたあと、マサチューセッツ工科大学(MIT)大学院建築学部では視覚論を学び、MoMA PS1やクイーンズ美術館での個展など欧米をベースに精力的に活動。帰国後は瀬戸内国際芸術祭(2013)や越後妻有アートトリエンナーレ(2012、2015)などの国際芸術祭を中心に、事象の認識を更新させる視覚芸術を重ねてきた。
サイトスペシフィック・インスタレーション、パビリオン(仮設建築)、あるいは写真表現で、鑑賞者の視覚体験に揺さぶりをかけてきた小松作品は、その発表形式に絵画が用いられることはなかった。それは「連綿と続いてきた美術史のなかで、自分が描くべき理由が見あたらない」という理由によるものだったが、キャリアが30年目に差しかかる2023年に発表した《CT(ペインティング)》で、小松は初めて自ら絵筆をとる。
「事象の認識を更新させる視覚芸術」を追究してきた小松が、建築空間のレイヤーを打ち消す透視写真(CT)を扱ううちに、アート領域でももっともフォーマルなメディウムとされる「油彩画」を透視させたいという欲求を抱いたという。
本展では、一貫したアーティストとしての立脚点を持ち続けながら、美術史を踏まえて自らも筆をとるべき事由を見つけ、二次元空間と三次元空間が越境する表現を展開する小松の新境地を見る。