THROWBACK

　TEZUKAYAMA GALLERYで、企画展「THROWBACK（スローバック）」が開催される。

　本展では、ポストモダン芸術の重要な潮流のひとつである「シミュレーショニズム」を起点に、過去から現代に至るまでの幅広い年代のアーティストを取り上げることで、美術における「引用」と「流用」といったアプロプリエーションの手法に焦点をあてる。

　シミュレーショニズムとは、1980年代半ばにニューヨークを中心に登場した美術運動であり、大量生産・大量消費の時代に生まれた複製技術や急速な情報化といった時代的背景を受けて発展。この運動は現代に至るまで多くのアーティストに影響を与え続けており、本展ではその主要な要素に加えて、ネオダダ、ポップアート、コンセプチュアルアートといった前駆的な潮流のアーティストにも触れながら、アプロプリエーションの手法がどのように誕生し、今日の美術表現につながったのかを概観する事を目的とする。

　また、本展で紹介するアーティストたちは、既存の芸術表現や社会的なイメージを記号化し、それを再構築することで新たな視点や解釈のあり方を鑑賞者に投げかける。彼らの作品を通して、アプロプリエーションの手法が現代においても重要な表現手段として機能し、いかにして新たなイメージや文化的な問いを生み出しているのかを探る。