いまやファッションの主役として当たり前のものとなっているプリントTシャツ。その起源をつくったのが、1964年にロンドンで結成されたアートユニット、ジョン・ドーヴ&モーリー・ホワイトだ。
2人は、アート作品を多くの人が手頃な価格で入手し、そして身につけることができるようにと、紙やキャンバスではなくTシャツを支持体に選んだ。シルクスクリーンの技法を応用し、テキスタイル用に独自に開発したインクとプリント技術を用いて製作されたフルグラフィックのプリントTシャツは「WONDER WORKSHOP」名義で発表された。
当時ロンドンでヴィヴィアン・ウエストウッドやマルコム・マクラーレン、シド・ヴィシャスなどとも親交があった彼らのTシャツは、同時代のアーティストたちを惹きつけ、パンクムーブメントを担う重要なアイテムとなっていった。
2人は現在も自らコンピューターを活用し、プリントを製作し続けている。日本初の個展となる本展では、60年代から70年代に生まれた現代アートとファッションをつなぐアイデアの起源を、スクリーンプリントとコラージュ、映像を通してさかのぼる。