初化粧

　化粧文化ギャラリーで、オープニング企画「はじまりの美学　3期 初化粧」が開催されている。

　同廊のオープン初年は、「はじまり」をキーワードに3つのテーマから化粧文化を紹介してきた。1期「化粧文化研究のはじまり」、2期「化粧のはじまり」に続き、3期では「初化粧」をテーマに取り上げる。

　伝統的な社会のなかでは、成人、結婚、出産など、ライフステージが変化するとき「初めて行う化粧」があった。「Art」の展示では、様々な通過儀礼のなかでもとくに、既婚女性を象徴する化粧である「剃り眉と丸髷」に焦点をあてている。「眉は顔の額縁」といわれるように、顔の印象を大きく左右する重要なパーツ。眉を剃り落とすことには、不安やためらいもあっただろう。また、娘時代の髪型を結えなくなることに、結婚への期待のいっぽうで寂しさを感じた女性もいたかもしれない。本展では、通過儀礼としての化粧に注目しながら、化粧の持つ社会的な意味や、人生に訪れる「初化粧」への揺れる思いを読み解く。

「Books」の展示では、「転換点」から連想を広げて6つのテーマで書籍を紹介。人生には「転換点」となるようなドラマチックな変化を迫られるときがある。社会から求められる姿に脱皮することへの不安、抵抗、憧れ、ステップアップに伴う高揚感など、ターニングポイントのときに思いをはせてみてほしい。