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白髪一雄が8年ぶりにトップロットに返り咲き。5月のSBIアートオークションで見えてきたものとは?

SBIアートオークションは5月26日と27日に代官山ヒルサイドフォーラムにて「Modern And Contemporary Art」セールを開催した。2日間にわたるセールの主要な落札結果をまとめてレポートする。

文・写真=塚田萌菜美

下見会の展示風景より

 SBIアートオークションは5月26日と27日に代官山ヒルサイドフォーラムにて「Modern And Contemporary Art」セールを2日間連続で開催した。日経平均株価が33年ぶりの高値水準をつけた週末に重なった本セールだが、日本のアート市場にも同様に数年ぶりの傾向が出現したのが興味深い。

下見会の展示風景より、中央が河原温《24. JAN. 1971 "Today" Series No. 2》(1971)

 まずは話題作について見ていこう。今回のセールでカタログの表紙になった河原温の「Date Painting」シリーズである。もとは作家と親交のあった、作家である岡崎和郎所蔵の作品だ。河原による渡米前の代表的なシリーズ「浴室」を、岡崎が元々所蔵していたが、「浴室」を東京国立近代美術館に寄贈したいという河原たっての希望に基づき、交換を持ちかけるために制作されたのがこの《24. JAN. 1971 "Today" Series No. 2》だという。通常このシリーズの作品には、描かれた年月日と同じ日付の新聞記事が貼付された作家手製の箱が付属するが、本作品には新聞紙がそのまま丸ごと残存し、岡崎和郎が自ら保管用の箱を製作していたという珍しい由縁と経緯がある。複数の電話入札者が競り合い、4300万円で電話が落札している。

オークション会場より、白髪一雄《無題》(1960頃)の落札の様子

 続いて、本セールのトップロット(最高落札額)を飾ったのが、白髪一雄による1960年頃の油彩作品である。30号ながら作家を代表する黄金時代の作品ということもあり、日本語の電話入札者と来場した顧客の代理人による、競り幅を無視した指値合戦が繰り広げられ、9600万円で日本語の電話ビッダーが落札。白髪一雄がSBIアートオークションでのトップロット争いに返り咲いたのは2015年以来約8年ぶりである。

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