EXHIBITIONS

退任記念 斉藤典彦展 ―水の國/白き森―

斉藤典彦 はるのやま 2008 作者蔵

 東京藝術大学大学美術館で「退任記念 斉藤典彦展 ―水の國/白き森―」が開催される。

 斉藤典彦は、1957年神奈川県生まれ。東京芸術大学在学中の76年に創画展に初入選し、89年には第10回山種美術館賞展出品の《Shaman Moon》で優秀賞を受賞する。94年《Nachi》が文化庁作品買上(東京国立近代美術館蔵)。創画展でも受賞をかさね、95年文化庁派遣芸術家在外研修員として ロンドンに留学した。その後、水の国、日本を表す「Water Land」シリーズ、また「MORI O OMOU」シリーズが注目され、2007年には平塚市美術館で個展が開催された。1995年より東京藝術大学美術学部絵画科日本画専攻で教鞭をとり、現在は教授を務めている。

 本展では、《はるのやま》《しぐれの》《こまやま―なつ》《WL-002W》を中心に60余点を展示。これら地元の高麗山を散策するなかで生まれた作品は、自然に潜む目に見えない根源的な気配が表され、近年の斉藤作品の集大成ともいえる新作《白き森》へつながっている。