EXHIBITIONS

清水裕貴「浮上」

2024.09.04 - 10.19

©Yuki Shimizu, courtesy of PGI

 PGIで、清水裕貴による個展「浮上」が開催されている。

 清水は、第5回1_WALLグランプリ(2011)で展覧会デビュー、2016年には三木淳賞を受賞。「Birthday beach」(nap gallery、2019)、「Empty park」(PGI、2019)、「既知の海」(千葉市美術館、2021)、「百年硝子の海」(千葉市民ギャラリーいなげ、2021)、「微睡み硝子」(PGI、2022)や「よみがえりの川」(A’holic/スタジオ35分、2023)、「眠れば潮」(PURPLE、2023)と、個展多数。「コールドスリープ」にて千の葉の芸術祭(2021)へ参加、昨年は、十年に渡る水をめぐる旅を綴じ、待望の初写真集「岸」(赤々舎、2023)を出版した。小説家としても、2018年新潮社「女による女のためのR-18文学賞」大賞を受賞、連続短編集「ここは夜の水のほとり」(集英社、2019)、「花盛りの椅子」(集英社、2022)、「海は地下室に眠る」(KADOKAWA、2023)を刊行、継続して精力的に制作、活動を続ける。

 本展にて展示される「浮上」は、歴史上の出来事からifを想像し、潮に侵食させた写真を用いて偽史を語る作品だ。小説「花盛りの椅子」の取材で訪れた館山に魅了された清水が、館山の地形や歴史に紐づく過去をベースに風景を切り取り、海水で劣化させた偶発的なイメージを用いて現実と抽象が混ざり合った物語を構成する。