EXHIBITIONS

NONOTAK「MASKS」

CANDYBAR Gallery
2024.08.14 - 09.07

展示風景

 CANDYBAR Galleryで、NONOTAKによる個展「MASKS」が開催されている。

 NONOTAKは、パリ在住のNoemi SchipferとTakami Nakamotoによるアートユニットだ。2011年ユニット結成後、メディアアート界の新星として世界中から注目を集め、直線や曲線、幾何学を光で照射した空間の中で音楽をシンクロさせ、聴覚と視覚両方に訴えるアートワークを制作している。

 テート・モダンでの作品発表や、アートバーゼル、またmutekやSónarなどの世界中のアートフェスティバルでの展示やパフォーマンス出演のほか、HERMES、adidas、Stella McCartney、PUMAなどのビデオクリップ制作協力や、映画『JOHN WICK 4』の演出なども担当。パリオリンピック 2024にあわせて開通したパリ地下鉄新駅にも巨大作品が展示されている。

 日本では、2014年六本木アートナイトでの作品出展を皮切りに、2017年には清水寺の秋の夜間特別拝観での奉納パフォーマンス、2018年には京都国立近代美術館でパフォーマンス発表を行った。また、先日東京・渋谷に完成したShibuya Sakura Stageに巨大作品が常設展示されている。

 本展では、日本で初めて「MASKS」を発表。様々な技法やメディアを駆使しながら作品を生み出し続けるNONOTAKであるが、「MASKS」はライティングや音楽を使わずに、視差効果を使ったミニマルな表現のなかに没入する作品となっている。

 シンプルながらも多層構造にNONOTAKらしい世界観を表現し、美術史におけるデジタル技術の進歩と彼らがつねに取り組んできた新しい表現への強い追求心を感じ取れるだろう。会場でNONOTAKの新境地を体感してみてほしい。