EXHIBITIONS

向山喜章「Inishie・7」

2024.08.03 - 09.07

Kisho Mwkaiyama Inishie 41 kk – SAMURAI 2024

 Yutaka Kikutake Gallery で、向山喜章による個展「Inishie・7」が開催されている。

 本展「古・7」(いにしえ・しち)*は、昨年開催された個展「Candle Flame・9」(キャンドルフレーム・キュー)で幕を開けた向山の新境地「祈りのひかり」三部作の第2弾となる。七という数字、およびキャリア初期からの永いプランを原案に、普遍性ある名作『七人の侍』を御仏(みほとけ)の尊格(そんかく)に姿を重ね、抽象芸術として展開。Inishie と題した本展中核をなす新作7点、映画の印象的なエンディングから着想した Nijisame 7点、ほか数点の新作群によって構成された展示空間に挑む。

「七とは死地でなく、至知にあれ」。天啓的名作『七人の侍』に圧倒されて生まれた本展は、曼荼羅を思わせる Inishie 7点、および Nijisame 7点を軸に、混迷をきわめる現代社会に向けられた作家の視点と、その深い宗教観とが融合した芸術空間として完成している。作品は普遍的な祈りを喚起するものでありたい、歴史ある信仰とアートへの尊意をあわせ持つ向山は、清き志の侍に荘厳な七体の尊格を重ね、世界を照らす「慈愛のひかり」を作品の姿によって差し出そうとしている。

 *「古」…いにしえの解釈は様々。ここでは、神仏と先祖、先人、および、古典芸術の名作と先の巨匠への尊意を記す。