EXHIBITIONS

開館50周年記念

PROJECT UMINOUE「五十嵐靖晃 海風」

2024.07.13 - 09.08

展示風景

 千葉県立美術館で、開館50周年を記念した展覧会「PROJECT UMINOUE『五十嵐靖晃 海風』」が開催されている。

 五十嵐靖晃は1978年千葉県生まれ。東京藝術大学大学院修士課程修了。人々との協働を通じて、その土地の暮らしと自然とを美しく接続させ、景色をつくり変えるような表現活動を各地で展開。五十嵐はアートとは「自然と人間の関わりの術」であると考えている。

 2005年にヨットで日本からミクロネシアまで約4000キロメートを航海した経験から「海からの視座」を活動の根底とする。代表的なプロジェクトは、漁師らとともに漁網を空に向かって編み上げ土地の風景をつかまえる《そらあみ》(瀬戸内国際芸術祭、2013・2016・2019)、南極にて子午線を糸に見立て世界各地の人と組んだ紐でともに凧を揚げる《時を束ねる》(南極ビエンナーレ、2017)、古くから伝わる民間信仰をアート作品として再構築し後世に受け継いでいくことを目指す《海渡り》(つなぎ美術館、2021~)など。

 本展は、美術館の建築空間をいかした新作インスタレーション、収蔵作品とのコラボレーション、五十嵐の活動のドキュメント展示で構成する館内展示に加え、千葉みなとエリアをフィールドとして屋外に作品を展示することで、この土地の魅力を明らかにし、かつての海の上であった埋立地に新たな文化を創造しようとするもの。また、本展は、参加型のアートプロジェクトとして、サポーターの「海風クルー」をはじめ、地域住民、近隣の小学生、一般参加者とともにつくり、来場者の参加によって完成する。