EXHIBITIONS
尾花友久「積む」
SOM GALLERYで、尾花友久による個展「積む」が開催されている。
本展では、尾花がとらえる陶芸を主題とする、純真無垢な多数の陶芸作品を展開。尾花は、一貫して陶器を実用的な形式でとどまらせることなく、伝統工芸の技術をそのままにしつつ、既成概念に囚われないかたちでの工芸史の文脈の更新を模索している。
近年、国内外を問わずスポットライトを浴びている、伝統工芸のひとつである陶芸。しかし、こと現代アートの領域における陶芸作品は、器としての機能面を飛び越え、質量を有する彫刻的なオブジェクトとして、評価を受けている。このように、工芸品としても、現代アートとしての側面も有する陶芸作品を曖昧な存在として擬える尾花は、あえて意味を持たない、無目的化された陶芸作品を制作する。これは、尾花がとらえる時代観の反映であり、生きているこの時代そのものが曖昧であるからこそ、ひとつの答えに当てはめることのない作品をつくり上げているという。
また、尾花は一貫して、陶芸作品を通じた、境界線を探ることに挑戦している。工芸とアートはどこから、何をもって区分されうるのか。陶芸作品は土で構成されるが、どこまでが土の状態であり、どこからが作品として成立しうるのか。一義性の正しさが失われつつあるいま、あえてそこに解を見出さず、曖昧で不安定な状態すらも受け入れることに、尾花の陶芸に向きあう姿勢が表出する。
本展では、「積む」という行為に焦点をあてた、立体および平面の作品群約30点を発表。陶板を複数枚重ね、積み上がった陶芸作品は、器としての機能を排した、オブジェクトとしての機能のみを有した作品となる。陶器としての機能を失った無目的化されたオブジェクトを目の前に、観者は自然とそこに意味を見出そうと対話を試みることで、工芸の領域を超えた、現代アートとしての像が浮かび上がってくるだろう。
本展では、尾花がとらえる陶芸を主題とする、純真無垢な多数の陶芸作品を展開。尾花は、一貫して陶器を実用的な形式でとどまらせることなく、伝統工芸の技術をそのままにしつつ、既成概念に囚われないかたちでの工芸史の文脈の更新を模索している。
近年、国内外を問わずスポットライトを浴びている、伝統工芸のひとつである陶芸。しかし、こと現代アートの領域における陶芸作品は、器としての機能面を飛び越え、質量を有する彫刻的なオブジェクトとして、評価を受けている。このように、工芸品としても、現代アートとしての側面も有する陶芸作品を曖昧な存在として擬える尾花は、あえて意味を持たない、無目的化された陶芸作品を制作する。これは、尾花がとらえる時代観の反映であり、生きているこの時代そのものが曖昧であるからこそ、ひとつの答えに当てはめることのない作品をつくり上げているという。
また、尾花は一貫して、陶芸作品を通じた、境界線を探ることに挑戦している。工芸とアートはどこから、何をもって区分されうるのか。陶芸作品は土で構成されるが、どこまでが土の状態であり、どこからが作品として成立しうるのか。一義性の正しさが失われつつあるいま、あえてそこに解を見出さず、曖昧で不安定な状態すらも受け入れることに、尾花の陶芸に向きあう姿勢が表出する。
本展では、「積む」という行為に焦点をあてた、立体および平面の作品群約30点を発表。陶板を複数枚重ね、積み上がった陶芸作品は、器としての機能を排した、オブジェクトとしての機能のみを有した作品となる。陶器としての機能を失った無目的化されたオブジェクトを目の前に、観者は自然とそこに意味を見出そうと対話を試みることで、工芸の領域を超えた、現代アートとしての像が浮かび上がってくるだろう。