EXHIBITIONS
中山基司 写真展「箱庭のモラトリアム」
OM SYSTEM GALLERYで、中山基司による写真展「箱庭のモラトリアム」が開催される。
中山基司は1980年兵庫県神戸市生まれ。日本写真映像専門学校映像クリエイション学科卒業。本展に寄せて、中山は次のように語っている。
「いつも電車から望むことができるプールを見ることは、日課のようになっていた。電車から見える時間はわずかだが流れていく景色のなかでプールのある空間は強く輝き、脳裏に焼きつくような感覚だった。住宅が敷き詰められている都市部の住民にとっては、プールの存在は憩いを与える貴重な空間だった。プールは水の色が変化し月日の経過を気づかせてくれる。
そして濁った水が再び輝きを戻すことがないことで、プールが取り壊されることを知った。プールは広い公園の大部分を占めていたことが取り壊されていく姿を見て把握することができた。その傍にあった桜や小さなベンチは無くなり、レイアウトがリセットされていった。がらんとした土地は静かに休んでいるように見えた。
何もない空間を見ることができる時間は短く感じたが、プールがあった記憶の余韻に浸る時間には十分だった。この土地にとってもわずかばかりの憩いの時間のように見えた。やがて工事が着工し資材が何層も折り重なり、いつも見ていた空間が閉ざれていく。新しい建物は車窓から見える景色のなかに溶けていくような感覚で通り過ぎていった」(展覧会ウェブサイトより)。
会場では、カラー作品40点が公開。
中山基司は1980年兵庫県神戸市生まれ。日本写真映像専門学校映像クリエイション学科卒業。本展に寄せて、中山は次のように語っている。
「いつも電車から望むことができるプールを見ることは、日課のようになっていた。電車から見える時間はわずかだが流れていく景色のなかでプールのある空間は強く輝き、脳裏に焼きつくような感覚だった。住宅が敷き詰められている都市部の住民にとっては、プールの存在は憩いを与える貴重な空間だった。プールは水の色が変化し月日の経過を気づかせてくれる。
そして濁った水が再び輝きを戻すことがないことで、プールが取り壊されることを知った。プールは広い公園の大部分を占めていたことが取り壊されていく姿を見て把握することができた。その傍にあった桜や小さなベンチは無くなり、レイアウトがリセットされていった。がらんとした土地は静かに休んでいるように見えた。
何もない空間を見ることができる時間は短く感じたが、プールがあった記憶の余韻に浸る時間には十分だった。この土地にとってもわずかばかりの憩いの時間のように見えた。やがて工事が着工し資材が何層も折り重なり、いつも見ていた空間が閉ざれていく。新しい建物は車窓から見える景色のなかに溶けていくような感覚で通り過ぎていった」(展覧会ウェブサイトより)。
会場では、カラー作品40点が公開。

