EXHIBITIONS

ペ・ラン、マリアンティ・パパレクサンドリ=アレクサンドリ「Future Relics」

STANDING PINE 東京
2024.06.08 - 07.06

Pe Lang Random | nº 38 2024 motor, thread, mechanical parts, 65 x 33 x 11 cm

 STANDING PINE 東京で、ペ・ランによる個展「Future Relics」が開催されている。

 ペ・ランは1974年スイス生まれ。現在スイスを拠点に活動しており、ヨーロッパ、北米、アジアを中心にミニマルキネティックアート作品をつくり出すアーティストだ。物理的な力の制御と稼働を繰り返し、動力学、視覚、そして音による相互作用を繊細かつ集中的に探求。その無機質な機械パーツの組みあわせによってつくられる作品は、作家ですら予期しない動きや音を生み出し、柔らかで有機的な表情を見せる。

 本展では、ランの新作に加え、ギリシャ出身のサウンドアーティスト、マリアンティ・パパレクサンドリ=アレクサンドリとのコラボレーション作品も展示。彼らはサウンド、キネティック、ビジュアルアートの融合に共通の関心を持っていることに気づいたことから協力を始め、2008年からコラボレーションを続けている。

 彼らの共同作品は、サウンドアートと新しい楽器の設計のあいだを行き来し、とくに、ソフトウェアやデジタル手段を用いずに、機械的かつ自律的な生物のような彫刻やインスタレーションをつくり出す。

「Future Relics(未来の遺跡)」と題された本展は、「未来技術」と「古代遺物」の交差点を探るもの。時間と進歩の従来の概念を再構築し、私たちの現在の進歩が遠い未来には古代の遺跡となることを示唆。「現代的」や「古風」と形容されるものの流動性を強調し、文化的および技術的な進化が相互に関連していることを考えさせる。