髙橋瑠璃「3／57年」

　下北沢アーツで、髙橋瑠璃による個展「3／57年」が開催されている。

　髙橋瑠璃は1998年東京都生まれ。2020年に女子美術大学美術学科立体アート専攻を卒業後、2023年に東京藝術大学大学院美術研究科彫刻専攻を修了している。

　髙橋は、だれもが日常で遭遇したことがあるであろう些細な場面をモチーフに立体作品を制作している。白っぽい石に優しい表情が描かれた彫刻。作品を観察していくと、具体的なモチーフが少しずつ解明されていくようになっている。

　これまでの作品では、例えば、アスファルトの隙間に逞しく生える雑草とそれを抜こうとする人、窓から見えた部屋の中にいる人、ベランダから見下ろす人など。髙橋の人や生活そのものを観察者として楽しむその眼差しと石で軽やかに表現する感性そのものにも注目である。

　本展では、髙橋の新作石彫やその他の素材でも制作された新作群が並ぶ。