EXHIBITIONS

特別展

ロートレックとベル・エポックの巴里―1900年

2024.04.19 - 06.09

トゥールーズ=ロートレック ディヴァン・ジャポネ 1893

 大分市美術館で、特別展「ロートレックとベル・エポックの巴里―1900年」が開催される。

「ベル・エポック(美しき時代、良き時代)」。それは19世紀末から20世紀の初頭、技術革新と経済発展を背景に、パリが世界有数の大都市として成長し、「花の都」「芸術の都」として輝かしく、華やかな魅力を放った時代である。世紀の節目1900年の万博開催で、祝祭感を極めたパリでは、地下鉄や動く歩道など電気の普及による近代化が進み、映画の上映、ダンスや音楽ホールの開設など、人々は娯楽と大衆文化に彩られたモダンライフを謳歌した。

 この当時のパリの享楽的な雰囲気を象徴する芸術家のひとりが、アンリ・ド・トゥールーズ=ロートレック(1864〜1901)だ。貴族の名家に生まれながら、パリの盛り場モンマルトルに通いつめ、キャバレーやダンス・ホールに集う人々を鋭い観察眼と的確なデッサン力で描いたロートレックは、新しい表現技法の色鮮やかな多色刷石版画で、広告ポスターを芸術の域にまで高め、グラフィック・デザイナーの先駆者として活躍した。

 本展では、36歳の若さで人生の幕を下ろしたロートレックをはじめ、ドガやミュシャ、デュフィらの作品約300点を展示し、劇場や盛り場、女性の装い、人々の生活など、華やかなベル・エポックのパリの芸術を展覧する。