EXHIBITIONS

アンゼルム・キーファー個展「Opus Magnum」

アンゼルム・キーファー 粟と記憶―パウル・ツェランのために 2014 Steel, glass, lead, resin, shellac, zinc, and charcoal 152.5×180×70cm)
Photo: Georges Poncet

アンゼルム・キーファー 魔女の秤 2015 Steel, glass, lead, galvanized steel, rust debris, watercolor on paper, and ink 152×180×70cm
Photo: Georges Poncet

アンゼルム・キーファー 画家のパレット 2014–19 Steel, glass, lead, oil, charcoal, wood, paintbrush, and watercolor on paper  140×90×60cm
Photo: Georges Poncet

 東京・青山にあるファーガス・マカフリー東京で、アンゼルム・キーファーによる個展「Opus Magnum」が開催される。

 アンゼルム・キーファーは1945年ドイツ・ドナウエッシンゲン生まれ。フライブルク大学で法律を学ぶが、美術家を志して69年にカールスルーエ芸術アカデミーに入学。70年にデュッセルドルフ芸術アカデミーに移り、ヨーゼフ・ボイスに師事した。69年、ヨーロッパ各所でナチ式に敬礼する自身の姿を撮影した写真シリーズ「占拠」を発表。その後も、ナチスの無謀なイギリス侵略計画を取り上げた「あしか作戦」(1975)などの写真作品で、ドイツの歴史上の記憶を揺り起こした。80年には第39回ヴェネチア・ビエンナーレ西ドイツ館で個展を開催し、この頃から、神話や宗教といった普遍的なテーマへと移行し、わらをキャンバスに付着させた絵画シリーズを制作。物質感のある叙情的な大作も数多く手がけている。

 キーファーにとって日本での個展は1998年以来。ガラスケースの作品と水彩画、計20点によって展示が構成される。また、12人の著名な執筆者によるエッセイや各作品についてのテキストを収めた160 ページの展覧会カタログも出版されので、あわせてチェックしたい(展示スペースの都合により、一度の入場者数は最大5名までとなる)。