EXHIBITIONS

いわさきちひろ ぼつご 50 ねん こどものみなさまへ

あれ これ いのち

2024.03.01 - 06.16

いわさきちひろ わらびを持つ少女 『あかまんまとうげ』(童心社)より 1972

 ちひろ美術館・東京で、「いわさきちひろ ぼつご 50 ねん こどものみなさまへ あれ これ いのち」が開催されている。

 いわさきちひろが東京・下石神井で暮らし、絵を描いていた50年以上前、日本は高度成長期の真っ只中であった。開発の名のもと、野や森は人工林や工場用地などに変えられ、川や水辺はコンクリートで固められ、それまで見られた草花や生きものも減っていった。

 ちひろは、「私は私の絵本のなかで、いまの日本から失われたいろいろなやさしさや、美しさを描こうと思っている」と語っているが、そこには、身近な自然が失われていくことへの危惧も含まれていたのかもしれない。ちひろが亡くなって50年が経ち、多くの生きものが日々地球から消えつつある。

 本展では、ちひろの絵を通して、人間以外のいろいろな「いのち」となかよく生きるにはどうしたらよいのか考える。