生涯を通して、子供を描き続けた画家・いわさきちひろ。全身を使って遊ぶ子供や、自由な空想をふくらませて遊ぶ子供など、様々な「遊ぶ子供たち」の姿を描いてきた。
そんなちひろの描く子供たちの「あそび」に着目した展覧会が、体験型の作品を展開するアートユニット・plaplax(プラプラックス)とのコラボレーションにより開催される。映像を駆使し、ちひろの絵のなかに入って遊べる「絵のなかの子どもたち」や、ちひろの絵本を体で楽しむ「絵を見るための遊具」といった、参加型の作品を展示する。
近森基、久納鏡子、筧康明、小原藍の4人のメンバーによるplaplaxは、メディアプロダクツユニットminim++(ミニムプラプラ)として活動していた近森、久納と、インタラクティブメディアの研究者、筧を中心に2004年に設立された。主にインタラクティブ・アート分野における作品制作を手がけ、ポンピドゥー・センターなど国内外で作品を発表している。08年からはアニメーションデザイナーの小原が参加し、NHK Eテレの「デザインあ」などの番組制作にも参加。また、「Imaginature」をテーマにメディア・アート的な視点、手法で心象自然をスケッチする活動など、さらにその領域を広げている。
plaplaxは本展に際し、「絵の中でいっぱいに身体を使ってあそんでいる子供たちと、それを描きながら頭のなかで自由にあそんでいるちひろさん、そして来館したみなさんが、一体となってあそべる空間。そんな展覧会を目一杯あそびながらつくってみたいと思っています」とコメント。
ちひろが描いたあそぶ子供たちの絵を、体験型の作品を通して見ることで、ちひろの世界を体感でき、親子で楽しめる展覧会だ。