EXHIBITIONS

芥川龍之介と美の世界 二人の先達―夏目漱石、菅 虎雄

芥川龍之介 水虎晩帰之図 紙本墨画 日本近代文学館

 神奈川県立近代美術館 葉山で、企画展「芥川龍之介と美の世界 二人の先達―夏目漱石、菅 虎雄」が開催されている。

 「羅生門」「鼻」「蜘蛛の糸」を始めとする数々の名作を世に送り出し、いまもなお幅広い世代に愛される小説家・芥川龍之介。芥川は作品や書簡等においてしばしば美術に言及し、その文学と美術への関心の高さは、彼が師と仰いだ夏目漱石と共通している。いっぽう、菅虎雄は、芥川の第一高等学校時代のドイツ語の教師であるとともに、漱石を禅に導いた人物であった。

 本展では、芥川の遺稿である「或阿呆の一生」を導入に、芥川、漱石、菅の三人の交流関係に着目しながら、古今東西の芸術に関心を寄せ、自らの文学世界にもそれらを取り込んだ芥川龍之介とその眼を通した美の世界を紹介する。