EXHIBITIONS

豊田市民芸館開館40周年記念特別展

沖縄の美

水色地遠山に落雁文様紅型衣裳 琉球王国時代 19世紀 丈 140 cm

 豊田市民芸館で、開館40周年を記念した特別展 「沖縄の美」が開催されている。

 日本本土や中国、朝鮮、東南アジアの国々の影響を受けながら琉球王国として独自の文化を形成してきた沖縄。その地を日本民藝館創設者の柳宗悦(1889〜1961)が初めて訪問したのは1938年のことだった。「私たちのように伝統的な工藝品を求めて各地を歩いている者には、琉球の存在は誠に奇跡のようなものであった」と柳は絶賛し、以来、民藝運動の仲間とともに計4回にわたり沖縄を訪れる。土地の風物や言語、暮らし、自然の豊かさに感嘆し、工藝調査や蒐集を精力的に行い、展覧会や雑誌 『工藝』などを通してその成果と魅力を広く紹介してきた。
 
 本展では、令和4年度に本土復帰50年を記念して日本民藝館で開催された特別展を再構成する。型紙を使って文様を染める華やかな紅型の衣裳や手描きで糊引きするうちくい(風呂敷)、芭蕉や苧麻、絹、木綿などを材に地域ごとに特色のある縞や絣の織物、技法も形態も多様な陶器や漆器とともに、柳らの訪問時に撮影された戦前の沖縄を紹介する写真もあわせて展観。改めて沖縄が 「美の宝庫」であることを紹介する。