公益財団法人日本デザイン振興会が主催する「グッドデザイン賞」の2024年度の受賞結果が発表された。審査委員長は齋藤精一、審査副委員長は倉本仁、永山祐子。総審査委員数は101名。
グッドデザイン賞とは、1957年に設立された日本で唯一の総合的なデザイン評価・推奨の仕組み。同賞のほか、特別賞の「グッドデザイン大賞」「グッドデザイン金賞」「グッドフォーカス賞」が選出され、受賞対象のうち、とくに優れた100件が「グッドデザイン・ベスト100」となる。
本年度のテーマは「勇気と有機のあるデザイン」。審査対象数5773件のなかから1579件が受賞し、うち20件が金賞に輝いた。現在は審査委員と金賞受賞者によってこの20件から大賞を決めるオンライン投票が行われており、11月5日の受賞祝賀会にて発表される予定となっている。
また、一般来場者が投票に参加できる新企画も受賞展(11月1日〜5日に開催、投票は4日まで)で実施予定。金賞20件のうち、もっとも一般来場者に評価された「みんなの選んだグッドデザイン」も5日に決定されるという。デザインの専門家たちと、消費者の目を持つ一般来場者がどのプロジェクトを選出するのかは注目したいところだ。
ほかにも、長年にわたり機能や価値が広く認められ、将来においてもそれらを発揮し続けることが望まれる「ロングライフデザイン賞」も今年度は12件選出された。
かねてよりプロダクトデザインの受賞が大部分を占めてきたグッドデザインだが、近年の傾向としてはプロダクトのみならず、メディアやサービス、プロジェクトなどの応募・受賞も増加しているという。そのような状況を踏まえ、今回の審査における総評を齋藤は次のように述べた。
「10年前から審査に携わっているが、(デザインの意義が多様になっている今日において)グッドデザインの在り方についても変化を感じている。今回とくに審査員のなかで話したことといえば、『モノとコトの境界線を引くのをやめよう』ということだ。審査についても各担当者によって綿密に行われており、新しいデザインの芽を見つけることができたのではないか。社会をより良くしようという熱量がカタチになる瞬間、これがデザインなのだと審査を通じてより強く感じることができた。新たなデザインを世のなかに実装していくこの活動を、今後も継続していきたい」。
各受賞結果についての詳細は、公式ウェブサイトで確認してほしい。