大巻伸嗣 個展「moment」

　アートフロントギャラリーで大巻伸嗣の個展「moment」が開催されている。

　大巻はこれまで、大きな波のように柔らかに舞う薄い布や、闇に浮かぶ光の玉、床一面の消滅していく絵画など、動的に変化するインスタレーション作品を数多く制作してきた。

　本展では、代表作のひとつである巨大な壺型のインスタレーション作品《Gravity and Grace》が放つ、光と影を捉えたフォトグラム作品を紹介する。光と影を（印画）紙に焼き付けることで物質化し、複雑に絡み合い重なるそのイメージをとらえられた一瞬のカタチは、人間の感覚だけでは感知しきれない様々な物質の変化、誕生と消滅が目の前でつねに繰り返されていることを示唆していると言える。

　国立新美術館（〜12月25日）でも大巻の個展が開催されており、フォトグラムの光と影のもととなったインスタレーション作品《Gravity and Grace》を美術館で展示されている。