EXHIBITIONS

伊万里・鍋島の凹凸文様

2023.10.06 - 12.21

メインビジュアル

 戸栗美術館で「伊万里・鍋島の凹凸文様」が開催されている。

 江戸時代初頭に佐賀・有田で日本初の国産磁器として誕生した伊万里焼と、その技術を応用して徳川将軍家への献上品として創出された鍋島焼を取り上げている。表面を盛り上げたり(型打ち・型押しなど)、貼り付けたり(貼付け)、反対に削ったり(線彫り・ヘラ削りなど)、刳り貫いたり(透かし彫り)という表現によるやきものの施文方法に焦点を当てる。

 こうした凹凸文様は、起伏がわずかであったり白地に白の文様であったりするために、画像はもちろん肉眼であっても絵付けによる表現に比べると視認しにくい。しかしながら、凹凸文様をあらわすための技法は、型の準備や、ヘラや鉋などの工具の使用など、伊万里焼や鍋島焼の基本成形技法である轆轤挽きだけでは完成しない、ひと手間もふた手間も掛けられ、高い技術力も要する。本展では、伊万里焼・鍋島焼あわせて約80点の作品を紹介する。