EXHIBITIONS

ユー・リンハン「波紋を捉える〜Catching ripples〜」

2023.09.23 - 10.28

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 Galerie Supermarktで、ユー・リンハンによる日本初の個展「波紋を捉える〜Catching ripples〜」が開催されている。

 ユー・リンハンは1990年北京生まれ。中国やベルリンを初め、世界各国の美術館の展覧会に参加し、作品が収蔵されている。人体の構造を観察することを通して、自分自身、さらには人類という種への理解をテーマに作品を制作し、絵画、版画、壁紙など多岐にわたった表現手法を用いることで、展示空間をコントロールしている。

 本展では、2023年に制作された「Breaking Boundaries」、「Chromatics」と「ニューボディ2.0」の3つの作品シリーズを展示する。この3つのシリーズは、人間の解剖学的構造と神経ネットワークの探求を通じてアーティストのユニークなアプローチを強調するもので、純粋な形式主義へのさらなる進化を表す。

 人体に関連する特定の構造を抽出し、それらを単純化または断片化し、綿密にモデリングして3次元にレンダリングするこのプロセスは、3次元から2次元の平面へとイメージが変換され、内在するランダム性が絵画の不確実性を刺激する。これは、人体の一部の構造、例えばタンパク質の形成や、細胞組織の組み合わせ、デジタル化されたDNAの断片などを見る者に知覚させる。化学試薬を思わせる鮮やかな蛍光色は、従来の人体表面の色とは対照的だ。視覚的な違和感を呼び起こすために採用された配色は、鑑賞者の身体性との視覚的な出会いに挑む。