EXHIBITIONS

菅木志雄−ハルキ・コレクションより

空豆
2023.09.02 - 10.08

菅木志雄 界周差

 大田区・洗足池の空豆で「菅木志雄−ハルキ・コレクションより」が開催されている。

 菅は1944年岩手県生まれ、李禹煥や関根伸夫などとともに「もの派」を代表するアーティスト。木や石、金属などの自然物・人工素材を、加工せずに空間に配置し、そこで生まれる光景を「状況(景)」と呼んで作品化してきた。74年からは、すでに設置されたものを新たに置きかえ、空間を活性化させる「アクティヴェイション」と呼ぶ行為を展開してきた。

 ハルキ・コレクションは、同じく洗足池で「ギャラリー古今」を主宰する佐藤春喜が収集してきた現代美術と古美術のコレクション。なかでも菅木志雄のコレクションは1970~90年代の貴重な作品を含む、質量ともに傑出したものといえる。

 佐藤は2010年にギャラリー古今を開設。以来、ギャラリー古今では菅の個展・特集展示を5回開催してきた。本展では、これまでギャラリー古今で展示されてこなかった菅の作品のなかから選んだ「界周差」(1989年) を中心に8作品を展示する。床置きの「界周差」は石と板によるシンプルな構成で中心から周囲へと大きく広がり、強い存在感を放つ、ハルキ・コレクションの最重要作品のひとつだ。89年の個展での発表以来、34年ぶりの公開となる。