EXHIBITIONS

ヴィルヘルム・サスナル

タカ・イシイギャラリー 京都
2023.09.02 - 10.14

Wilhelm Sasnal No thanks, I don't drink 2022 Oil on canvas 140 x 100 cm
© Wilhelm Sasnal. Courtesy of the artist, Taka Ishii Gallery and Sadie Coles HQ, London
Photo:Kenji Takahashi

 タカ・イシイギャラリー 京都で 「ヴィルヘルム・サスナル」展が開催されている。

 ヴィルヘルム・サスナルは1972年ポーランドのタルヌフ生まれ。現在クラクフを拠点に活動。1992年から1994年までクラクフ工業大学で建築を、1994年から1999年までヤン・マテイコ美術アカデミーで絵画を学ぶ。近年の主な個展に、ポーランド・ユダヤ人歴史博物館(ワルシャワ、2021)、バイエラー財団(リーエン、2017)、ハウス・デア・クンスト(ミュンヘン、2012)、ホワイトチャペル・ギャラリー(ロンドン、2011)、スイス・インスティテュート(ニューヨーク、2007)、クンストハレ・チューリヒ(2003)など。 「Capturing the Moment」テート・モダン(ロンドン、2023)、「I am you, you are too」ウォーカー・アート・センター(ミネアポリス、2017)、ワルシャワ映画祭(2016)、ベルリン国際映画祭(2014)、第31回サンパウロ・ビエンナーレ(2014)、「The Reach of Realism」ノースマイアミ現代美術館(2009)などのグループ展や映像祭に参加している。

 サスナルの作品の突出した特徴として、本人の撮影による日常のスナップショットから、雑誌、新聞、オンラインから借用したファウンド・イメージの個人的なアーカイブまで、その視覚的な参照元の多様性が挙げられる。いまや絵画鑑賞はデジタル画像の横溢する環境下で為されるが、サスナルはそのフィジカルな経験としてのあり方を、写真素材を選択しメディアを越境することによって問い直す。結果的に出力される作品が、ミニマルかつ思考喚起的な舞台装置によって呼び起こすのは、親近性と乖離性という両義的な感覚である。

 本展では、昨年のロサンゼルス滞在時の経験に触発されて制作されたシリーズを中心に、一連の近作絵画が展示されている。