EXHIBITIONS

鈴木悠哉「ARCHAIC FUTURE」

写真提供:モエレ沼公園

 モエレ沼公園は、同施設のガラスのピラミッド開館20周年を記念して、鈴木悠哉の個展「鈴木悠哉 ARCHAIC FUTURE」を開催している。

 鈴木悠哉は1983年福島市生まれ。日本大学芸術学部美術学科版画専攻卒業。2020年に文化庁新進芸術家海外研修制度によってクンストラーハウス・ベタニエン(ベルリン)に滞在し、現在はベルリンと札幌を拠点に活動している。文化を超えた普遍的な形状やイメージ、潜在的な世界の記号体系を求め、都市景観のなかで無意識のうちに認識され続けている「かたち」に着目。都市の風景から記号的なイメージを抽出したのち、膨大なドローイングを通じた抽象化を経て、柔らかな色とかたちを持った立体作品や、映像、ライトボックスに変換して新たなコンポジションを提示してきた。

 本展では、モエレ沼公園のデザインを手がけた彫刻家イサム・ノグチの残した作品に触発された新作を発表。世界中を旅して古代遺跡や造形物から未来へとつがなる価値観を見出し、自身の作品へと反映させてきたノグチ。時代や文化を超えて通底する「かたち」を追求する鈴木は、ノグチの作品に見る「かたち」を手がかりに時間のはざまを探索し、古代の出土品のようでもあり、やがて手にするであろう未来の装置のようでもあるインスタレーションを展示するという。