AdvertisementAdvertisement
EXHIBITIONS

αMプロジェクト2023-2024

「開発の再開発」 vol.2 近藤恵介|さわれない手、100年前の声

2023.07.29 - 10.14

近藤恵介 ひとときの絵画 2023 左:小林古径《臨顧愷之女史箴卷(第4場面)》の模写(部分) 右:※小林古径《右手(素描)》の模写(部分)

 gallery αMで、「αMプロジェクト2023-2024」の一環として「『開発の再開発』 vol.2 近藤恵介|さわれない手、100年前の声」が開催される。

 近藤は1981年福岡県生まれ。2007年に東京藝術大学美術学部絵画科日本画専攻を卒業した。現代美術を取り扱うギャラリーでの発表を中心とし、絵画作品を解体し組み直すようにしてつくられるインスタレーションの作品で知られている。また、書籍の装画や挿絵の制作や、現代美術のアーティスト・冨井大裕や小説家・古川日出男とのコラボレーションなども行っている。

 近藤は現代日本画画壇で失われつつある「日本画の近代性」を、考古学的対象(閉じられた一つの歴史)として研究している。とくに近代の日本画家たちが探究した「線」に注目しており、新古典主義とも呼ばれた小林古径、前田青邨、安田靫彦などの近代日本画家に通底している模写について、「近代の日本画家の素描を見ると、模写の意識が染みついているのがよくわかる。他者の線を引用するというよりも身体性も一緒に引き写すことを繰り返しながら、やはり私は私なのでそれぞれの線になってゆき、次第に何らかの形を結ぶ。」と述べている。

 近藤にとって模写とは、絵画のなかにある線を発見し、画家の身体・認識を通して、現在性を持った画面の上に線を新たに産み直すことと言える。模写という行為に含まれる身体性や現象学的経験を捉え直し、自らの新たな制作へと昇華することで、閉じられた日本画の技術的・精神的な歴史を開いていく。