EXHIBITIONS

長谷川寛示 個展「decay, remains」

2023.05.27 - 06.24

長谷川寛示 Koka Kola #12 2023 ©︎Kanji Hasegawa courtesy KANA KAWANISHI GALLERY

 KANA KAWANISHI GALLERYで長谷川寛示の個展「decay, remains」が開催されている。

 長谷川は1990年三重県生まれ。2014年に東京藝術大学美術学部彫刻科を卒業し、16年に同大学大学院美術研究科彫刻専攻を修了。長谷川は在学中より、親しんできたパンクロックカルチャーや、概念を形象に落とし込む現代美術の制作過程にも通じるものとして仏教への興味を募らせ、16年に曹洞宗大本山永平寺にて修行を経て僧侶となる。

 長谷川は、木彫で再現した花びらや葉脈などの植物に、擬似漆や金箔を施した後、和蝋燭ですすけさせた作品を制作しており、これまで大麻草、芥子、薔薇、蓮、外来種の雑草など、固有の由来を持つ植物を、自ら手がけた様々な花器と組み合わせて発表してきた。

 本展で長谷川は、初めて枯れゆく植物をモチーフとした作品を発表している。長谷川は「彫刻は時間を伝えるメディウムである」と強調しており、本展でも地上のすべてのものに平等に作用する時間や、動植物など種に関わらずあらゆる生命に等しく与えられた寿命などに思いを巡らせた作品群が展覧されている。