中屋敷智生 展「明日ま、た明日また明、日と時は 小きざ、みな足、取りで一、日一、日を歩む」

　KOKI ARTSで、中屋敷智生の個展「明日ま、た明日また明、日と時は 小きざ、みな足、取りで一、日一、日を歩む」が開催されている。

　中屋敷智生は1977年生まれ。2000年京都精華大学を卒業後、京都を拠点に活動。制作活動のみならず、画家同士のつながりから絵画を再考する「DRIBBLE」シリーズや、アーティスト・ラン・ギャラリー「Alt Space POST」を立ち上げるなど、ユニークな展覧会や企画も多数手がけてきた。

　KOKI ARTSでは5年ぶり3度目の個展となる本展では、新作ペインティング11点を展示。中屋敷が近年取り組んできた、マスキングテープを「画材・メディウム」として使用した絵画作品が並ぶという。

　画面においてマスキングテープは、ときに線として、ときに色面として、また物理的なレイヤーとして画面上に存在する。マスキングテープは、作品に独特なレイヤーやテクスチャーを与えるとともに、剥離、透過、余白がキャンバス上で渾然一体となることで、図と地の関係を不明瞭にするという。これらの作品は、鑑賞者の視覚認識の不確かさや危うさも顕在化させることだろう。