EXHIBITIONS

発掘・植竹邦良 ニッポンの戦後を映す夢想空間

2023.05.20 - 07.09

植竹邦良 最終虚無僧 1974 府中市美術館蔵

植竹邦良 人形の行く風景 1969 府中市美術館蔵

植竹邦良 スピナリオ電車 1977

 府中市美術館で「発掘・植竹邦良 ニッポンの戦後を映す夢想空間」が開催される。

 植竹邦良(1928-2013)は戦後リアリズム美術運動のただなかに画家として活動した油彩画家。45年に東京工専印刷科(現・千葉大学)に入学するも、学徒動員や空襲に脅かされる日々を送り、戦後は工場実習として米軍管理下の印刷工場で働きつつ、東京工専の教師だった画家・赤穴宏の手引で絵を学び始め、猪熊弦一郎主宰の田園調布純粋美術研究所に通った。

 60年代以降は安保闘争や学園紛争など世相を象徴する事件を題材にした作品を制作した。植竹は戦中の記憶や地形・建築など徹底して細密描写されたモチーフを混在し、反復させることでダイナミックかつ現実と非現実の境のような世界を描き続けた。

 本展では、府中ゆかりの知られざる画家である植竹の全貌が初めて紹介される。戦後ニッポンの政治、社会、都市開発など変わりゆく日本と向き合い作品を制作した植竹の仕事ぶりを見ることができる。