名取洋之助と土門拳ー社会的写真を求めてー

　土門拳記念館で、開館40周年記念特別展 「名取洋之助と土門拳ー社会的写真を求めてー」が開催されている。

　1910年東京都生まれの名取は、写真家・木村伊兵衛らと 「日本工房」を結成。審美や慰安ではなく、社会を語る「報道写真」を日本でも実現しようと様々な試みを行った。ほどなく脱退した木村らの後に日本工房へ入ったのが土門拳であった。1909年に山形で生まれた土門は、名取の指導のもとで「報道写真」に取り組む。戦争の時代を経て、敬意を持ちながら反発することもあった両者であるが、それぞれに生涯をかけて社会的写真を探求し続けた。

　本展は土門拳記念館の開館40周年を記念した特別展であり、一般財団法人日本カメラ財団との共催により、同財団が所蔵する名取作品、さらには同館で展示したことのない日本工房時代の土門作品などを多数公開。写真が最先端のメディアであった1930年代から激動の時代を経て戦後に至るまで、彼らが求めた写真の在り処を振り返る。